J1第2ステージ第12節 G大阪-新潟(6-3)

今日は万博での現地観戦。バックスタンドはそこそこ入っているものの、ゴール裏は実に寂しい状態で、コールリーダーが声出しに悪戦苦闘している。明らかにアウェイの新潟のほうがゴール裏の声援が多いのは・・・
しかし試合はそんな新潟の声を打ち消すように、開始わずか2分のCKからのシジクレイのヘディングによる得点で始まる。その後も、高い技術でボールをきっちりと回すガンバの前に、新潟は自陣に押し込められた状態が続く。新潟得意のサイド攻撃も、二川やフェルナンジーニョがサイドの高い位置に開いているために全く前に行けず、オゼアスもシジクレイに封じられてポストプレイでつなぐ事も難しい。
それでも何とか耐えてきた新潟だが、19分に左への展開から遠藤にデルピエロ・ゾーンばりのゴール隅に決まるゴラッソなミドルシュートを決められ早くも2点差に。30分ごろからはややガンバにも攻め疲れが見え始め、新潟がペースを握り始める。
ガンバはつなぎのミスが多くなり、フェルナンジーニョが守備のカバーに入るために大黒が一人残る形になるのだが、大黒がボールキープ出来ずにセカンドボールを拾われる展開が続く。しかし37分に、新潟の中途半端なクリアボールを拾ったフェルナンジーニョがDFをフェイントで交わして3点目を決め、新潟の勢いをくじいてしまう。
後半開始早々、今度は新潟が前半のお返しをする。右へ飛び出したオゼアスがシジクレイと競り合い、いったんはシジクレイに体を入れられるものの、ファールを狙ってシジクレイが倒れたのを流され、折り返しをファビーニョに決められてしまう。
そこからは出足が早くなった新潟のプレスにガンバがパスを回せなくなり、淡白な守備から簡単にシュートを打たれてしまう。新潟は前半シジクレイに押さえられていたオゼアスのポジションを動かし、出来たスペースにファビーニョを入らせることでガンバのマークを分散させた攻撃が実り始める。が、7分、11分と大きな展開のカウンターから大黒に点を取られて、またしても新潟は自ら試合の主導権を相手に渡してしまう。
それでも16分に左サイドからドリブルでガンバ山口を交わしたシュートをファビーニョが決めて新潟が追いすがろうとするのだが、26分と27分に互いに1点ずつ決めあったところで得点祭りは終わり、あとは互いにグダグダと試合終了。
新潟は反町監督も語っていたように、チームがペースを握りかけたところで失点>勢いが失速と言うパターンを繰り返しすぎた。特に、試合開始早々に点を決められた事で、チーム全体が消極的になってしまってガンバのパスの出所を潰せずに自由にプレイさせてしまったのが大きかった。後半の戦いが最初から出来ていれば、もう少しまともな試合にする事が出来ただろう。
ガンバは、フェルナンジーニョのボールキープを軸とした、代表を思わせるようなポゼッションサッカーが成熟の粋に達していて実に見事だったのだが、こと守備面においては、中盤に潰し屋がいないせいかシジクレイを越されてしまうと簡単にシュートまで持って行かれてしまい、代表での鈴木のように前で体を張って起点になる選手がいないので、押し込まれたときに預けどころが無くて簡単にセカンドボールを拾われてしまうところは、優勝を狙うにはあまりに脆弱だと言わざるを得ない。もう一つ選手がレベルアップして、「試合を殺す」術を身につける必要があるだろう。