オランダ エールディビジ ローダ-フェイエノールト(0-2)

欧州予選ウィーク明けの再スタートとなる試合、カイトやカステレン、そして小野など代表選手を多く抱えるフェイエは、ソンが外れた以外はほぼベストに近いメンバー。ソンの代わりにギャンが右SB、左SBにはブルーノ・バストが入った。
試合はまずホームのローダが、積極的に高い位置からプレスをかけて攻勢に出る。ローダはボールを奪った後に素早く非常に身体能力の高いコートジボワールのコネにボールを預け、そこから分厚いサポートでフェイエゴールに迫る。
フェイエはコネのボールキープを跳ね返す事が出来ず、また代表での試合の疲れか、ボールを持ってからの各選手の動き出しが鈍く、試合のペースを押し返す事がなかなか出来ない。それでも、フェイエが特に苦手としている高さのある攻撃が少ないので、最後の部分で何とか守ってしのいでいる。
15分頃から、ようやくフェイエもサイドからのカルーやカステレンの個人技でローダ陣内に攻め込む場面を見せ始めるが、動きが特に悪い小野を始めとして中盤のフォローが遅く、パスコースを探してコネているうちにボールを取られてしまうなどして攻めがどうも単調になりがち。
そんなこんなで一進一退の攻防が続いたまま、無得点で前半は終了する。
後半開始早々、いきなりカルーがPA内に持ち込んでこぼれ球をカステレンがフリーで打つビッグチャンスが訪れるが、至近距離からのシュートを何故か外してしまう。11分ごろからは雨が降り出し、ローダの疲れも出てきたのか技術に勝るフェイエがパスをつないで試合を支配する。
そして14分にローダ陣内での相手のパスミスを小野が拾い、右サイドのカステレンが溜めに溜め、DFの意識がそちらに集中したところで出した中へのパスを、タイミング良く裏に抜けたカイトが決めてフェイエが先制する。20分頃までは完全にフェイエのペースになり、小野が中に飛び込んでクロスを押し込むだけのチャンスもあったが、カステレン同様これも枠の外に外してしまった。
これで試合の流れが変わったのか、そこからはローダの怒涛の攻撃が始まる。ローダはギャンやブルーノ・バストといったフェイエのサブのSBが守るエリアをセクやセルジオなどが個人技で突破し、フェイエゴールに雨あられとシュートを浴びせるが、ポストに当たったりGKバボシュの好セーブに遭うなど、フェイエに運が味方する。
80分からフェイエもカイトを下げてガリを入れ、守備重視の4-3-3にシフトして守り切る体勢に。そこから後はローダのペースも落ち、ロスタイムにラインの裏に抜けたカルーが確実に2点目を決めて試合終了。フェイエは選手のコンディションが悪いながらも、現実的な試合運びと幸運でアウェイでの勝利を手にする事が出来た。
今日の小野はさすがに疲れからか、全体的な運動量やボールを触る回数も少なく、パスやシュート精度も珍しく良くなかったのだが、それでも時折勝負どころの場面ではゴール前に飛び込んで来るなど、「自分が何とかしなければ」という中心選手としての気概と成長を感じるプレイがあったのが嬉しい驚きだった。小野には、代表が終わってもすぐにUEFA杯が待ち受けているわけだが、何とかコンディションを保って頑張って欲しいものである。