ナビスコ杯準々決勝 浦和-横浜FM(3-2)

ナビスコ杯のディフェンディングチャンピオンとJ1第1ステージ王者というビッグマッチなのだが、浦和が三都主と坪井がいないだけなのに対し、横浜は久保、中澤、松田が代表合宿で、ドゥトラと遠藤が怪我で欠場とほぼ2軍と呼んでも差し支えないチームなのがやや寂しいところ。
試合は、そのチーム状態を正確に反映して終始レッズペースで始まる。浦和は、高い位置からプレスを仕掛け、奪ったボールを素早く永井とエメルソンの2トップに運んで、そこからの個人技で横浜DFを切り裂いていく。横浜は2トップがアルパイと闘莉王の高さに封じ込まれてボールをほとんど前に運ぶ事が出来ない。
しかし12分、浦和の猛攻にやや落ち着きを取り戻した横浜がゴール前でFKをゲット、これを奥が見事にクロスバーぎりぎりに決めてみせる。しかし浦和も16分に、右サイドからのグラウンダーのボールを抜け目なく掠め取った山瀬がそのまま持ち込んでゴールを決め、すぐに試合の主導権を握り返す。
そして試合は・・・と言いたいところだが、ここで画面に突然「ただいま電波が受信できません」という文字が(笑)。その間にどうも永井のクロスからエメルソンが飛び込んで浦和がリードしていたようだ。
後半になると、さらに立て続けに浦和のチャンスが訪れる。横浜はいつの間にか3バックから4バックにしていたようだが、ユサンチョルが退場した後の中盤は脆弱そのもので、ぽっかり空いたバイタルエリアを永井やエメルソンに好き放題に使われる有様。しかし、浦和も肝心のシュートの精度が足らずに横浜にとどめを指す事が出来ない。
そのうち浦和の運動量が落ちて試合は膠着状態になり、次の得点が試合を決めるなと思われた20分、横浜のセットプレイを跳ね返したボールを永井が競って落としたところをかっさらったエメルソンがスピードに乗ったドリブル、栗原はたまらずPA内で倒してしまってPK。これをエメルソン自身が決めて勝負あったの3点目。あとは、横浜の反撃を坂田のアクロバティックなシュート1本に止めて浦和がベスト4に勝ち進んだ。
岡田監督は90分間手を変え品を変え、四苦八苦してチームを持ちこたえさせようとしていたようだが、ベストでさえ選手の質に差は無い浦和相手に2軍がほとんどではどうしようも無かったのが正直なところだろう。しかし浦和も、本来であれば軽く一蹴すべき試合だったにもかからわず、決定力の無さが響いて最後に1点差まで詰められてしまったのはいただけない。今後リーグ戦で常勝軍団となるためには、最後の詰めまで手を抜かないような厳しさを身に付けて行かなければならないだろう。ブッフバルト監督がどれだけゲルマン魂を植え付けられるかに注目である。