オランダ エールディビジ第3節 フィテッセ-フェイエノールト(1-1)

ここまで2戦2勝と好調同士の注目の対戦。フェイエはカステレンが欠場し、小野がトップ下に入る4-3-1-2という前節後半から使ったフォーメーション。
試合はホームのフィテッセが前線から選手を追いまわすような激しいプレスをかけ、フェイエの選手は全く自由にプレイをさせてもらえない。仕方なく、サイドからの苦しいパス回しかロングボールを上げるのだが、おかげで小野は10分ごろまで一度もボールに触れない有様。フェイエはそれでも2度ほど決定的なチャンスを作るのだが、残念ながら決められない。
20分になると早くもフリット監督が動く。ミスが多くて中盤を作る事が出来ない3ボランチの一角であるガリを下げてスモラレクを入れ、小野が3ボランチの右の位置に入って4-3-3の布陣にする。そして25分、そのスモラレクがからんでゲットしたCKを小野がショートコーナーを蹴り、これをサイディがヘッドで決めてフェイエがラッキーな先制点を挙げる。
フィテッセはここから気落ちするどころかさらにプレスのペースが上がり、ボランチの位置に下がった小野のところにまでプレッシャーが押し寄せるためにフェイエはほとんどボールが保持できず、トップのカイトも厳しいマークにポストプレイがままならず、カルーが試合から完全に消えてはフェイエもどうにもならない。フェイエとは逆にトップのブルチェビッチの高く安定したポストを中心に、素早いスペースへの攻撃が機能しまくる。しかしフェイエもポストに助けられるなど何とか無失点に抑えて前半終了。
後半も試合のペースは変わらず、フェイエの攻撃はひたすら小野の頭上を通過する可能性の低いロングボールのみ。20分過ぎからようやくフィテッセのペースも少し落ちて中にスペースが出来始めるのだが、押された位置からのボールのつなぎがうまく行かずになかなかカウンターまで持って行く事が出来ない。
そうなるとどうしても結果は悪いほうに出てしまうもので、83分に左奥からのFKをディープスタッハに頭で流されて同点にされてしまう。そこからフェイエも少しだけ攻勢に出るものの、ほとんど有効な攻めを見せられる事無く同点のまま試合終了。フェイエはゲーム内容からすると勝ち点1を取れたのは幸運だったが、今後の2強との対戦に不安を残す試合となった。
今日の小野はトップ下から右ボランチの位置へと変えてフル出場したが、全体的にボールタッチが非常に少なく、相手のプレスがきつい状態では中盤が機能しないフェイエのチーム作りの未熟さの割を食ってしまったと言える。特に、4-3-3とサイドを厚くするフォーメーションにしていたにもかからわず、相手にサイドを完全に制圧されてしまったのはいただけない。8日のインド戦に戻ってくるようだが、その前にしっかりとチームの熟成を図ってくれることに期待したい。