アテネ五輪予選リーグ グループD 日本-イタリア(2-3)

体調が悪いので試合経過は省略。
一言で言えば、山本ジャパンのナイーブさ、中途半端さ、不徹底さが生んだ必然の結果であったように思う。確かに、3失点は全てゴール前でのマークの甘さを突かれて喫した失点ではある。だが、日本選手が1対1に弱いのはとうに分かりきってた事のはずだ。そこをどうやってカバーするのか、例えばトルシエであれば過剰なプレスとラインコントロール、汚いプレイの奨励があったし、ジーコジャパンではセーフティな守備と中盤のカバー、そしてワンタッチのパス回しでチームを落ち着かせる方法というものがあったが、そんな手段がこのチームにはほとんど存在しない。
また、この試合でも平山を入れずに森崎を入れるという3点をもぎとろうとする意欲の見えない采配も疑問だし、2得点につながった阿部を生かすために4バックの右と言う今までに試した事の無いポジションを与えたのも、もっと早くにテストすべきだったのは言うまでも無い。この布陣をパラグアイ戦で行っていればもっとこの試合に落ち着いて臨めたはずである。結局、自分達の弱みと強みを全く把握せずに2年間を無駄に過ごし、五輪本番になってから「こんなはずじゃなかった」と場当たり的なパッチ当てに終始したツケが来てしまったように思う。
それもこれも、日本人指導者にありがちな「世界とのものさしの欠如」、こうすれば世界と戦えるといったグランドデザインを持たずに、ただひたすらトルシエジャパンの欠点の修正といいとこ取りという、正に割れ鍋に閉じ蓋を地で行ったチーム作りに原因がある。強化委員会も「15秒で攻撃」などというお題目を振りかざす以前に、指導者の世界に通じる目を養う事をまず考えるべきではないか。
とにかく、イタリアもパラグアイも強い相手であったのは間違い無いが、無策のままナイーブに戦って普通に敗れてしまった事が残念でならない。次のガーナも弱い相手ではないが、個人レベルでは守備での1対1以外は通用している部分はあるので、自分の海外への売り込みのために精一杯のプレイを期待したい。