欧州CL準々決勝第2レグ アーセナル-チェルシー(1-2)

第1レグをチェルシーのホームで1-1のドローに終わった両チーム、アーセナルはアンリとレジェス、ピレスとリュングベリというベストメンバーなのに対し、チェルシーは2トップをムトゥとクレスポではなく、絶好調のハッセルバインクとグジョンセンにして来た。
ぬるい展開に終始した第1戦とは違い、この試合はプレミアらしい激しい当たりを伴った縦に早いサッカーで始まる。全体的にはホームのアーセナルがやや押し気味だが、点を取るしかないチェルシーも厳しいプレスで対抗する。当然、互いに後ろにスペースが出来て決定機も多くなるのだが、これも互いにシュートを外してしまう。
試合は一進一退の状況が続くが、チャンス一歩手前の形に持ち込む階数はアーセナルが圧倒する。40分過ぎにはサイドから波状攻撃をかけるものの、チェルシーもゴール前にがっちり壁を作ってゴールを割らせない。そして両チーム無得点のまま前半を終了するかと思われたロスタイム、ヴィエラのサイドチェンジに上がってきたローレンがクロス、アンリが頭で落として飛び込んだレジェスが点を決める。ここまであまり存在感が無かったレジェスの大きい仕事だった。
2点が必要なチェルシーは後半グレンケアを投入してさらに前がかりになる。そして5分、マケレレのミドルをレーマンが弾いたところをランパートが押し込んで同点にする。これで合計成績は全くのイーブンに。すぐにアーセナルも反撃するが、さすがにお互い疲れもあるのか10分ぐらいから試合は落ち着いてしまう。
アーセナルはレジェスが左に流れる事が多いのだが、それがピレスの上がるスペースを潰し、アンリとのコンビネーションも生かされないのでどうにもこうにもリズムが出ない。かえってグレンケアにボールを集めてシンプルに攻めるチェルシーの方が攻めが生き生きとしている。
そしてアーセナルが動く。35分に後半精彩を欠いていたアンリに代えてベルカンプ。そしてチェルシーもダフに代えてジョー・コール、ハッセルバインクに代えてクレスポを入れて勝負に出る。そこからは完全にペースはチェルシーに。アーセナルもグジョンセンの決定的などフリーシュートをアシュリー・コールが体で止めるなど必死の防戦。
だが、それもはかない抵抗だった。42分、中盤でのサイドチェンジから左サイドをウェイン・ブリッジがオーバーラップ、グジョンセンとのワンツーで抜けて角度の無いところから見事なシュートを決める。アーセナルは遅まきながらも攻めに出るが、その攻撃にはどうも必死さが感じられない。そして何も起こせないままに試合は終了。チェルシーが逆転で感激のベスト4に進出した。
アーセナルはいつもながらの勝負に対する淡白さもさる事ながら、アンリとピレスの左サイドのコンビを崩してまでレジェスを使った起用法、後半になってずっとリズムが悪かったのに何も手を打たなかった采配など、負けるべくして負けた試合だった。チェルシーはイタリア人監督のラニエリらしく、勝負どころを見極めた采配と、それでリズムを変えられるだけの選手層の厚さがアーセナルを上回ったと言える。レアルやミランと比べると優勝までは厳しいかもしれないが・・・ってレアル負けてるやん! そっちを見たら良かったなあ。