イタリア セリエA第27節 ローマ-ボローニャ(1-2)

両チームともミッドウィークに試合をこなした上での週末の試合。UEFA杯に敗退したローマはトッティ、カッサーノという2トップの4-4-2というベストメンバー、ボローニャは4バックにしてターレ1トップに中田トップ下、ロカテッリとベッルッチの両SH、ボランチがペッキアとコルッチという4-5-1で、マッツォーネはシニョーリとネルボに休養を与えた格好。
ボローニャは前節とはうって変わって4バックとボランチがかなりコンパクトな関係を保った守備を見せ、中田やターレも積極的に守備をする全員守備で、当然ローマが押し気味ながらもスペースを与えない守りでローマに可能性のある攻撃をなかなか許さない。しかし攻撃面では、ローマのラインが非常に高い上に中田がボールを受けても回りの追い越す動きが少なくてパスコースが作れず、ボローニャはほとんどシュートを打つことが出来ない。
試合が動いたのは26分。中田が倒されて得た右からのFKを中田自身が蹴り、そのこぼれ球をペッキアが押し込んで何とボローニャが先制してしまう。しかしホームのローマはこれでかえってエンジンがかかり、ワンタッチでの早いパス回しからパヌッチが上がる大きな展開でボローニャを揺さぶり始める。そして32分、右サイドからのクロスを前線に上がっていたパヌッチに頭で落とされ、カッサーノに飛び込まれてすぐさま同点にされてしまう。
それからも、ローマの早いプレスにボローニャの中盤がたまらずミスを連発、そこからトッティのドリブルを始めとしたローマの個人技にボローニャは度々マークを無力化されてピンチを何度も迎えるものの何とか粘りきって前半を終了。
後半になると早々にローマはカンデラに代えてデルベッキオを投入して3バックに変更する。しかしこれがローマの悪手だった。ローマは後ろの人数が減ったのに加えてミッドウィークの疲れもあったのか中盤の支配力がみるみるうちに落ちてしまい、ボローニャの中盤でのつなぎがうまく行っている事もあって両チームともにゴール前での場面が増え始める。
そして33分、ボローニャは右サイドでうまくパスを回し、最後にメグニが上げたクロスをターレがダイビングヘッドで決めてボローニャがリードする。ローマは再び反撃・・・と言いたいところだが疲れが大きいのかサイドからの崩しがほとんど無くてボローニャの守備を振り回す事が出来ない。ローマは最後にカリュウを投入してパワープレイを仕掛けるものの、ボローニャ守備陣は最後まで集中を切らすことが無く、ボローニャはアウェイで本当に殊勲の勝ち点3を手に入れた。
今日の中田は大好きなトップ下に入ったものの、パスコースが無い孤立した状態では個人技もスピードも無い中田にはどうしようも無く、得点につながったセットプレイ以外は終始攻守のつなぎ役として働いただけに終わってしまった。これでシンガポール戦のために日本に帰るのだが、最後はさすがにばてていただけに代表戦の出来が、それより帰ってからの働きが心配である。