J1第1ステージ 浦和-C大阪(4-2)

レッズサポーターでほぼ満員の埼玉スタジアムでホーム開幕戦の浦和は、田中が怪我でスタンド、鈴木と山瀬がベンチで三都主、エメルソン、永井の3トップと前節と全く同じ3-4-3のスタメン。セレッソは大久保が先発で西澤と2トップでトップ下森島の3-5-2。
試合はホームのレッズが高い位置からプレスをかけるのに対し、セレッソはエメルソンを警戒してゴール前のスペースを早めに埋めてカウンターと言う展開で推移する。両チームともボールをゴールまで素早く進める狙いを見せるために、互いにセットプレイやクロスを上げる場面が増える。
ただ、セレッソがボールを持ってからもう一つ連携がうまく行っていないのと、レッズのマークの受け渡しがスムーズなために、セレッソは大久保の個人技ぐらいしか有効な攻め手が無い。浦和も、セレッソがPA前に高い壁を作っているので、エメルソンが下がってボールを受けて何とかという攻め手ぐらいしか見られない。
そして膠着した展開が続いた29分、セレッソは右からのCKをラデリッチが頭で落としたところを大久保と西澤がツインシュート(笑)。これが浦和ゴールに決まってセレッソが先制。しかし、その4分後には右サイドをドリブルで抜いた永井がグラウンダーのクロス、これをセレッソDFが鈍い反応で足に当ててしまってオウンゴール。そこからは浦和が調子に乗って守備の弱いセレッソのサイドを狙って攻勢を強めるが、セレッソも何とか守りきって前半終了。
後半もレッズの攻勢は続き、5分に久藤が上がったところでボールを取られ、山田に真ん中に空いたスペースをどんどんドリブルで破られ、最後は左にフリーでいた長谷部にスルーパス、これを長谷部は落ち着いて決めてとうとうレッズがリード。そこからもレッズは永井やエメルソンがセレッソのサイドをどんどん崩す。これでレッズに3点目が入るのも時間の問題かと思われた12分、逆に徳重からの一発のパスで裏に抜け出した大久保がループを決めてセレッソが同点に。
それでもやはりレッズの攻勢は変わらない。セレッソは守備のアタックに行って1対1で負けては裏にスペースを空けてしまう場面が多く、とうていこのまま守りきれる気配が無い。そして案の定28分に左のスペースを使った長谷部からのパスを中で受けたエメルソンに決められてしまう。その後はセレッソも長いパスからチャンスを作るものの西澤のヘッドが合わず、最後はエメルソンに駄目押しをされて試合終了。
セレッソは久藤のボランチが全くの穴で、クロアチアDFも高さはあっても横の揺さぶりに弱く、選手同士でポジションがかぶる場面が多いなどまだ組織が全く浸透できていない状態で、相手が強かったとは言え今年の前半戦は苦しみそうである。逆にレッズは大久保にはやられたとは言え、セレッソの選手をフリーにさせる場面が非常に少なく、攻撃はほっといても強いだけに、優勝争いをするのは間違い無さそうだ。