J2第2節 仙台-京都(0-5)

J1からの降格組ながら、開幕戦は苦杯を喫してしまった両チーム、ここは昇格レース参戦へのきっかけを掴むために是非とも勝っておきたい一戦。仙台はルーキーの萬代が先発して佐藤と2トップを組み、京都も18歳GKの西村が先発、そして黒部とチェの反則2トップにトップ下は熱田が入る布陣。
試合はまずホームの仙台が高い位置からのプレスと組織的なパス回しで京都ゴールに迫る。しかし10分ごろから、京都はプレスを仕掛ける仙台の中盤を回避し、ツインタワーに早いタイミングでアーリークロスをぶつけ、そのセカンドボールを拾って二次攻撃という形がはまり始め、シュートで終わる展開が多くなる。そして17分、やはり右サイドからのアーリー気味のパスを森川が交錯してクリアミス、それをそのまま熱田に流し込まれて京都が先制。
仙台は当然攻勢を強め、パスを回して攻めようとするのだがどうにも選手の動きやボールの展開が小さく、また前線に高さも無いために人数の揃った京都の守備を崩しきれず、かえって京都のほうが大きなサイドチェンジからシンプルな攻めで効果的な攻撃を見せる始末。そして42分には、また長いパスからのセカンドボールを拾われ、森の浮き球のクロスを裏に抜け出た熱田がボレーを決めて2点目をゲット。仙台はまたクリアミスをバイタルエリアで拾われるというミスを犯してしまった。
後半の10分、仙台はまたDFのミスから失点する。京都の何でも無い前パスを仙台のCBがお見合い、苦し紛れの数馬のクリアが黒部の胸に当たってそのままゴールして3点目。19分には森のオーバーラップから黒部がヘディングで決めて0-4となって試合は決まってしまった。
その後仙台はようやく攻撃が活性化するものの、最後の部分でタイミングが合わずに得点できず、35分にはPA内をドリブルで進入した熱田を数馬が引っ張ってしまってPKというおまけ付き。そして満員の1万8000人が入ったスタジアムはチームの自滅に静まり返ったままで試合終了。
仙台は一生懸命戦術練習をしていたフシはあるのだが、選手がタスクをこなす事だけでいっぱいいっぱいのようで、のびのびプレイしているところがほとんど無い。かと言って闘志があるわけでなく、肝心のところで致命的なミスを犯すなど全く良いところが無い。期待のルーキーの萬代もどちらかと言うと山下タイプで、攻めの軸として使うには荷が重過ぎるように思う。とにかく、このままセンターラインが不安定なままでは層の厚くなったJ2で上位を狙うのはかなり厳しいと言わざるを得ない。思い切った選手起用か、引きこもってカウンターへのスタイルの変更か、監督の次の手に注目である。