キリンチャレンジカップ U-23日本-U-23韓国(2-0)

これからUAEラウンドに臨む日本にとって、選抜メンバーからスタメンを決めるための、親善試合とは言え非常に大事な一戦。初夏を思わせるような陽気の長居スタジアムは、メインにやや空席が目立つものの他は9割の入り。韓国サポーターも結構来ていて日本に負けない音量のテーハミングコールで対抗。
今日のスタメンはGK林、DF那須、闘莉王、茂庭、MF森崎、今野、鈴木、徳永、トップ下山瀬、FWが平山と田中達の3-5-2。対する韓国はおなじみの3-4-3という布陣。
試合は両チームともかなりフラットな3バックでラインを高く上げたコンパクトな布陣なために、ボールがなかなか落ち着かない展開が続く。特に山瀬には始終マークがつき、攻撃よりもプレスの参加で目立つ場面が多い。それでもホームの日本が平山の高さを軸にややペースを握るのだが、チャンスを作るまでには至らない。と思ったら、6分にはいきなり闘莉王が上がってシュートを打ち、長居の観客は大受け(笑)。
10分過ぎからは韓国もやや持ち直し、ロングボールからのセカンドボールを拾って左サイドのチェソングのドリブルにつなげるという形で日本を押し込む。鈴木の致命的な敵へのパスミスもあって危ない時間帯。しかしその後はカウンターからの平山のぎりぎりでクリアされたシュートや、韓国の長いドリブルからの抜け出しなど一進一退の攻防が続き前半終了。
後半は山瀬と茂庭に代えて石川と松井が入り、徳永は右CBに移動。特に松井の効果は大きく、足元でのボールキープから確実に左サイドの上がりにつなぐなど、流れは大きく日本に傾く。そして10分、左サイドでボールを奪った松井がヒールで田中達につなぎ、ドリブルからのシュートをGKがはじいたところを松井が押し込んで日本が先制する。
そこからは当然韓国が攻め込み、1トップに当てたボールを素早くサイドに展開する攻撃で日本を押し込むが、日本もGKがかぶったり鈴木がまた危ないミスをしたりするものの、林のスーパーセーブもあって何とか粘りの守備で我慢する。すると35分、カウンターから抜け出した石川がクロス、これをフリーで受けた平山がボールを浮かしてかわそうとしたところを走りこんだ森崎がミドルシュート。これが相手DFに当たってカーブがかかってゴール右ギリギリに吸い込まれる。あとはコンディションがあまり良くないのかペースがめっきり落ちた韓国に対し、日本は余裕で逃げ切って試合終了。
最終予選に向けて順調にチームが仕上がっている事を実感できた試合だったが、課題があるとすればやはりクロスの精度だろう。この試合でも鈴木や森崎などが何度かクロスを上げたものの、平山に合った場面というものが皆無だった。最後の点になった石川のクロスも相手のクリアミスであり、正直あまり平山の高さを生かせてないと言わざるを得ない。あとは出来れば中盤の展開力を何とかしたい。今野と鈴木はプレスという点ではいいのだが、展開パスが無いのでスペースへの飛び出しを身上とする山瀬が死んでしまっている。世界相手では松井とてそう簡単にキープは出来ないわけで、攻めの選択肢を多く持つためにも、今後復帰する阿部も含めて中盤の再構成を望みたい。

●採点


  • 林 6.5 スーパーセーブと精度の高いフィードを見せたが、飛び出したらせめてボールには触って欲しい。

  • 那須 6 右サイドを崩される場面を何度か作られたものの、全体的にはまずまず。

  • 闘莉王 6 今日は上がりも自重し、韓国FWと高さで五分に渡り合ったが、フィードの精度は良くなかった。

  • 茂庭 5.5 見るからに重かった。チェソングにてこずった。

  • 森崎 6.5 今日は良く動いてスーパーゴールも決めたが、クロスや守備にはまだまだ課題が。

  • 今野 6.5 今や日本の中盤のリーダー。何度も良いパスカットを見せた。ただパスにはまだ課題。

  • 鈴木 5.5 良く走り回っていたが、致命的なパスミスが2回はあまりに多すぎる。猛反省を。

  • 徳永 6.5 特にCBになってからは、相手のドリブルを粘り強く防いだ。

  • 山瀬 5.5 マークに苦しみ、今日は攻撃よりも守備の人だった。

  • 平山 6.5 得点は無かったものの、韓国相手に勝てる高さと視野の広いポストプレイで日本を支え続けた。反転できるスピードが身につけば間違いなく化け物。

  • 田中達 6.5 前半は苦しんだが、相手のマークが緩んだ後半に本領を発揮した。

  • 石川 6 攻撃によくからみはしたが、同時によく裏も取られてしまった。クロスは何とかすべき。

  • 松井 7 得点だけでなく絶妙のキープとファンタジーで後半の日本を一変させた。今日のMOM。

  • 坂田 -