キリンチャレンジカップ U-23日本-ロシア(1-1)

オノプコ、シチョフらを擁するロシアA代表を迎えての1戦。日本はGK黒河、DF那須、闘莉王、徳永、MF根本、森崎和、鈴木、田中隼、FWが高松と坂田という、DFラインは熟成を、その他のメンバーは選考をという狙いが読み取れるスタメン。
開始早々は日本が意欲的なプレスからボールを奪おうとする。ロシアはまだエンジンがかかっていないのか、あまり前から来ずに日本にパスを回させ、最後の部分でしっかり止めればいいかと言う感じ。それでもCKからバーを叩くシュートがあるなど、ロングボールやセットプレイを中心に日本の当たりに対する弱さをうまく突いてチャンスを作る。
日本は、ボールを奪うまではいいものの、高松は厳しくマークされ、坂田は相手のフィジカルにボールがキープ出来ず、サイドなどが味方を追い越す場面も無くてほとんど有効な攻撃の場面が無い。25分の松井のミドルシュートまで日本には全くシュートが無かったという始末。
しかし、そこからは日本は相手の高さにも慣れはじめ、攻撃でも松井のボールキープから徐々にリズムが作れるようになる。そして33分、自陣でボールを奪った闘莉王があれよあれよと言う間にドリブルで上がり、DFやGKと交錯したところを高松がゴールに蹴りこんで何と日本は先制してしまう。
しかしロシアもさすがで、39分に右からのフィードをブルイキンが高さで競り勝ち、そのままダイレクトで裏に出されたボールを回り込んだブルイキンに決められて同点にされてしまう。
後半からは日本は根本に代えて森崎浩を投入。しかしシチョフを入れて来たロシアは前半とは明らかに違ってラインを高く上げ、パスを繋いでサイドを中心に攻撃的な姿勢を見せる。日本は相手が上がった分早いパス回しからチャンスを作れるようになるが、中盤で一つパスミスをすると早いパスからゴール前に人を殺到させるロシアの方が圧倒的にチャンスが多い。
それでも日本はスーパーセーブを連発する黒河を中心に人数をかけた粘り強い守備と運で何とか耐える。19分に青木、26分に平山と田中達を入れて場内は沸き立つものの、ロシアのペースは変わらない。ようやく試合終了間際にサイドからいくつかチャンスを作るもシュートが決まらず同点で試合終了。
日本は最初こそ相手のフィジカルの前に不安定な守備を見せてしまったが、慣れてからはある程度互角に競り合えるようになり、ラッキーな面もあったとは言え、後半は本気になったロシア相手に無失点に切り抜けられたのはかなり自信になったのではないだろうか。イラン戦は統率が崩れる場面が多かったDFラインも、この試合では大分呼吸が合ってきたといえる。ただ、攻撃ではサイドに展開するまではいいが、そこからどうやって崩すかと言うアイデアが無くてスピードダウンするばかりで、最終予選で相手に引かれた場合に平山の頭しか無いのではという不安点はまだ解消されたとは言えない。そこはメンバーが決定してからの熟成に期待せざるを得ないだろう。
今日試されたメンバーでは、黒河は当然として、高松は高さ以外は平山に対抗できる事を証明して見せ、松井はマークが厳しい中でのボールのつなぎに役立つところを見せたと言える。田中隼は後半良くなっただけに判断が難しいか。森崎和、根本、青木はかなり微妙、坂田はちょっと厳しいか。さて、本番の20人はどうなるか・・・