天皇杯4回戦 横浜Fマリノス-広島(2-1)

来期のJ1を占う上での前哨戦。横浜FMはメンバーが大分戻ってきて、FWの安永、ボランチの上野、DF河合以外はベストメンバー。広島はFWに高橋が入る。
試合開始直後、広島は横浜のワイドな展開に付いて行けず、久保のワントラップから裏に抜け出てフリーで打ったシュートなど、立て続けに3回の決定機を作るが、下田のファインセーブで何とかピンチを切り抜ける。
15分ごろから広島もようやく落ち着き、コンパクトな守備からサンパイオのボールキープを軸にして横浜の勢いを止め、試合は膠着状態に。そこからは静かな展開が長々と続いていたが、34分に突然試合は動く。
広島のセットプレイからの横浜のカウンターで、スペースに出た久保にフィードが渡り、GK下田が飛び出たところを左足のアウトサイドでワンタッチのループシュートを見事に決めてしまう。そこからは再び横浜がペースを握り、ドゥトラの攻撃参加を軸に広島を攻め立てるものの、最後で決めきれずに前半終了。
広島は後半から茂木を投入。広島が攻めて横浜が守る展開になるが、横浜が落ち着いてスペースをつぶしているのでなかなか裏を取れずに足元につなぐだけで決定的チャンスまでは至らない。25分過ぎからはやや中盤にスペースが出来、互いにゴール前までボールを持っていく場面が増え始める。
そして40分に、同じように久保の裏を取る動きからリカルドの足元を抜く折り返しパス、そこに走りこんだ清水がダイレクトでゴールに突き刺す。しかし広島も直後にマルセロの強引なシュートのこぼれ球を服部が拾って再び試合は1点差に。最後は広島がパワープレイを仕掛けるものの、そのまま試合終了。
かなり長崎の風が強くてパスがぶれる場面が多く、雑で大味な試合になってしまったところはあるが、それでも1対1の強さ、スペースを見つけて動く選手の戦術意識など、横浜の方が全体的に1枚上だったのは間違いない。広島も基本技術では十分J1レベルに達しているところは見せたが、FWの決定力に加えてもう一段一人一人が激しくならないと上位を目指す事は難しいのではないだろうか。