J2第43節 福岡-新潟(2-1)

今日引き分け以上の結果で事実上昇格が決まる新潟だが、両SBが出場停止のため高橋、安を回さざるを得ない苦しい布陣。
それでもほとんどホーム状態の博多の森のサポーターに押されて新潟は果敢に前に出るも、意地でも負けたくない福岡は前線からの早いチェックでなかなか新潟の選手をフリーでプレイさせない。
中盤でピンボールのようにボールが跳ね回った最初の10分間を過ぎると、右サイドに回った安の中途半端なポジショニングを福岡の左サイドの古賀とアレックスが突破する場面が増え、福岡がやや押し気味の展開になる。
新潟もカウンターを仕掛けたいところなのだが、DF陣が安全第一でロングフィードに頼る組み立てが多く、中盤でボールが回せないために不慣れなSBが上がるタイミングを失い、中央突破からでしかチャンスが作れず、それも福岡の高いラインからの早いプレスに寸断され、どうにも決定的なチャンスが作れない。
そして前半39分にカウンター気味に右サイドを突破した福岡の攻撃から福嶋が折り返しのクロス、それをフリーでベンチーニョが叩き込んで福岡が先制してしまう。新潟のDFは人数が揃っていたのだがボールウォッチャーになってしまって誰もベンチーニョを見ていなかった。
後半になるとさらに福岡ペースは高まり、新潟はただボールを上野に当てるだけで攻撃が全く組み立てられない。逆に福岡にはいくつか決定的なチャンスを作られ、閉塞感が漂っていた24分、新潟は中盤でボールを奪って上野が福岡DFラインの裏へパス、そこに走りこんだファビーニョが決めて新潟はワンチャンスで同点に。
そこからは現金なもので急に新潟の選手の視野が広くなり、中盤からサイドを使った攻撃が出来るようになるものの、チャンスになかなか決めきれない。逆に40分過ぎからは守備の意識が高くなりすぎてDFラインが上がれなくなり、ぽっかりと空いた中盤から左サイドに張っていた古賀にパスを回され、そこから何度も切り崩される場面を作ってしまう。
引き分けでいいと守備に全員戻るように反町監督は指示を出したらしいが、ボールホルダーにまでチェックに行けなくなったために、42分に古賀にミドルシュートをぶち込まれてしまう。もう新潟に反撃の力は残っていず、新潟は勝ち点を取れずに試合終了。
一度は同点に追いついたものの、今日の新潟はチーム全体が完璧にテンパってしまい、全く攻撃の形を作れていなかったのでまあ必然的な結果だったと言える。幸い川崎が引き分けたために勝ち点3の差を付けてビッグスワンに帰れるが、得失点差で川崎に負けているので川崎が勝って新潟が負けるとJ2残留になってしまう。好調大宮相手に今日のような試合をやったのではとうてい勝てないだろう。ホームで開き直って自分達の普段の戦い方が出来るかどうか。そこがカギなのは間違いない。