リーガエスパニョーラ レアル・マドリード-バルセロナ(1-1)

再放送での観戦。
かたや首位、かたや残留争いとリーグでは明暗が分かれてしまった両雄によるエル・クラシコだが、さすがにCLに残っているチームだけあってがっぷり四つの試合となった。
試合開始直後は互いにペースがめまぐるしく入れ替わる激しい展開。そして早々に試合が動く。16分、バルサがそれまでの攻勢が一段落して引き気味になり、反対にレアルがお得意の針の穴を通すようなボール回しでペースをつかみ、マケレレのフィードをラウルがヘッドで流したボールを走りこんだロナウドが受けて軽くドリブルしてゴール。
普通は引いてスペースを埋めたら攻めあぐむものなのだが、レアルには1mのスペースでさえ自由にプレイできる能力がある。それをバルサは思い出したのか、そこからは引かずにひたすらフォアチェックを厳しくしてフリーでパスを出させないようにしてイーブンに持ち込むようになる。
今のレアルはトップのロナウドの動きが少なく、湯浅氏言うところの「蓋をした状態」になってしまうため、フォアチェックで厳しい体勢になると、いかにフィーゴやジダンと言えど前にボールを預ける場所が無いと苦しくなるのだ。この辺はこの試合を見ているであろうマンU関係者にとっては大きなヒントだったかもしれない。
得点直後はレアルペースだったが、上に書いたバルサも守備の修正に加え、これまたお得意の早いパスでサイドをワイドに使う攻撃で、中央に比べると薄いレアルの守備陣のプレッシャーをくぐりぬけて攻撃をし始める。そして32分に左サイドのオーフェルマウスからスクエアのクロス、これをクライファートが競り勝ってこぼれ球をソリンが狙うがDFとつぶれ、それがさらにルイス・エンリケの前に転がって同点ゴールが押し込まれる。
後半からはレアルの選手に疲労の色が濃くなり、前半は頑張っていたラウルも怪我の影響か徐々に動きが悪くなり、バルサがやや優勢になる。しかし、レアルのマケレレを中心とした粘り強い守備や、バルサの最後の攻撃に精度が欠けた事もあって得点できず、レアルもバルサのソリンなどが攻めに出る事が多いため左サイドのロベルト・カルロスの上がりからチャンスを作るがバルサの最終ラインの集中力が欠けずに無得点。
ちょっと最後はお互い疲れてグダグダになってミチェル・サルガドの退場やリケルメやグティの投入もあっても試合は動かずに終了。
クラシコという名前のもとに互いのプライドがぶつかり合った面白い試合だったが、両チームともCLをこなして来ているだけに空雑巾をさらに絞ったような悲壮さがあり、ミッドウィークに再びやってくるCL準々決勝セカンドレグは大丈夫なのだろうかと他人事ながら心配してしまう試合であった。