ブンデスリーガ ハンブルガーSV-アルメニア・ビーレフェルト(1-0)

HSVは予想外の高原先発、さらにバルバレスとロメオ、カルドーソを同時起用するというかなり攻撃的な布陣である。
そのスタメン通り、HSVは非常に積極的な試合運びで、中盤やDFの出足も良くてビーレフェルトの攻撃をことごとく寸断し、相手を押し込みまくる。
そして前半早々の9分に、右サイドに流れたバルバレスにパスが通り、そこでパス交換でためを作ったところでニアに入ってきた高原にスルーパス、高原が後ろについたDFをうまく交わして振り向きざまに折り返し、それが相手のオウンゴールを誘ってHSVが先制。
前半はそのままHSVがビーレフェルトを圧倒するが、チャンスに決めきれずにハーフタイム。
後半は一転してHSVが守勢に回ってしまう展開に。しかし、ドイツサッカーというのはボールが来たところでは基本的に1対1で勝負して、周りの選手は自分のポジションをキープしてその後の展開に備えるといった形なので、ある一人の出足が遅くなって先手を取られてしまうととたんにチーム全体が引かざるを得なくなるのが面白い。昼に、ボールにはワラワラ集まるのだが誰も1対1で競りに行かないセレッソの試合を見ていると余計に対照的に見えてしまう。
話を元に戻すと、後半はビーレフェルトもいくつか決定的なチャンスを作るのだが運もあって無得点、HSVはマハダビキアを中心としたカウンターを時折仕掛けるのだが、全体的に引き気味になったせいで高原も左サイドのスペースのカバーに回らざるを得ず、前線がロメオだけになってしまって相手にクリアされてしまう。
30分からはビーレフェルトも車ドゥリを入れて攻撃的に行くのだが、もうグダグダの試合だったので車もほとんど効き目は無かったのは気の毒だった。そんな中、44分にオフサイドぎりぎりで抜け出した高原がキーパーを交わしてあとはゴールへ流し込むだけの場面があったのだが、これを狙いすぎてしまったのか(笑)、なんとポスト左ぎりぎりに外してしまう・・・おいおい。最後に相手のFKなどもあったのだが、何とかそのままで試合終了。
UEFAカップ争いのライバルであるヘルタが負け、シャルケが引き分けとなってHSVはこれで単独4位となり、3位のドルトムントとも4差とCLまで視野に入ってくるという大きな勝ちであった。
高原の出来については、最後のシュートは決めないといけなかったが、前半のオウンゴールにつながるシュートはもちろん、攻撃では確実に次の展開への起点となり、運動量豊富な守備で相手の攻撃を遅らせ、味方が非常に助かる働きが出来ていたように思う。アウェイや強豪相手で先発で使ってもらえるかどうかは分からないが、確実に首脳陣の評価を高める事になったと言える。