カタール国際ユース 日本-ドイツ(4-0)

開始直後はドイツがサイドから縦、そこから中を経由して逆サイドといった確実なボール回しでサイドから攻め、チャンスを作ってくる。日本も前2戦から比べると無駄なボランチの位置での横パスが少なく、FWのポストプレイからの中盤の拾い方がうまくなり、前田も積極的になってきてなかなか好ゲームに。しかし、10分に相手GKが飛び出してクリアミスしたところを矢野、杉本とつないで左からのシュートが決まる。
ドイツは若いせいか、そこから無理なパスや強引な攻めが多くなり、それでも強引に厚く守った日本の守備を突破してシュートを放つが決まらない。日本はドリブルやワンツーに対しての守備が弱くてかなり不安。ゴール前のクリアも弱い。
そして30分からはほとんど日本サイドだけで試合している状態になってしまう。日本はカウンターの場面があっても、前へ出る枚数とスピードが物足らなくて反撃できない。しかし、終了間際にCKからこぼれた浮き球を徳永がワントラップしてボレーシュートが決まって2点目。前半終了間際にセットプレイからの混戦で押し込まれそうになるがバーに当たって助かった。
後半からは日本はすっかりカウンター体制になるが、ドイツももう一つ最後の崩しのアイデアが無くて点が取れない。ドイツが攻めあぐねているうちに、70分にGK林からのフィードを受けた前田がDFを交わして3点目。見事にカウンターが決まる。さらに焦ってドイツが攻めてきたところをまた一発のロングパスで裏に抜けた矢野が決めて4点。これで完全に勝負あり。
4-0の結果から見れば、どれだけワンサイドな試合なのかと思ったら、内容的には押されながらもセットプレイとカウンターを決めて点を重ねた試合であった。その勝因は何と言っても、ワンチャンスに先制点が取れた事。昨日のスイス戦といい、山本さんは運がよい(笑)。
しかし、相手はドイツとは言えU-20なのに、押し込まれる展開が多いのはいただけない。アジア大会もそうだったが、山本さんの指向はトルシエの反動なのか(笑)、守備に対するケアの意識が強すぎるように思う。これではW杯のトルコ戦のように、ただでさえ個人打開力が低い日本にとって逆転試合が難しい事になって来そうだ。本番もこの先制運がついてくればいいのだが。
それはともかく先制点によって、若いドイツに焦りが出て、そこをうまく突いて追加点が取れた。また、ドイツの戦術がおなじみのと言うか、芸が無いと言うか、両サイドだけが高く上がった2バックだった事も味方した。2バックはリスキーな分、CBの1対1の能力と戦術眼が高くなければ機能しない戦術なのだが、ドイツのCB2人の連携が悪く、致命的なミスを犯してくれたからだろう。