海外組第一弾

稲本は得点の基点になったパスもあってまずまずの働きだけど、やっぱりペルソナリタが見える存在にはなっていないようだ。動きもそうだが、ボディコンタクトの少ないJで育ったせいもあるのだと思うけど、ボールを受けたときやそこからキープに移るときに体が棒立ちになっているのがプレイに安定感を欠く原因の一つではないだろうか。中村なんかとは違って質量があるからちょっと当たられて倒れるようなことはないんだけど、手と上体を使わずに足元だけでさばこうとしているので、当たりで微妙にバランスを崩されてボールコントロールが狂ってしまう事が多い。稲本自身は早い判断でワンタッチパスを心がけてるようで、まあそれはそれでいいのだが、がっちりキープする時はキープする事をマスターしないとプレミアのCMFで使われる道が開かれないと思う。
それを考えると、体格と純粋テクニック以外の部分ではほぼ完璧な中田ってのは凄いよなあ。ナイジェリアユース海外組が最も見なければならない選手のビデオは中田だろうね。
さてレッジーナ。前半は昼に見た神戸を思わせるような素晴らしい闘志。清水が神戸4バックに何も手が無かったのは違い、足の速いFWをサイドへ走らせるという、高いバックライン崩しの定石を徹底的に行使しまくる。そしてゴール前では人数が殺到し、ポジションかぶりまくり(笑)。
当然、決定機を何度も作っていたが、「これで点が取れないと後半はペースダウンするしきついだろうな」と思ってたら、キエーボは後半Made
in
Germanyの電柱を投入して、これもまたライン崩しの一手を放ち、瞬く間に同点。正に思っていたとおりの展開になってしまった。バルガス先生がいないおかげでPKは取られなかったけど(笑)。
しかし、本当に柳沢2号と中山3号のFWペアを何とかしないとなあ。柳沢2号は本家並みの決定力に加えて、スルーはしない代わりに必ずボールを取られるコネコネが大好きだし頭が痛い。会長、高原本物はどうですかね?
中村(黒魔術師レベル3)は、今週パス出しからの前方機動という呪文を覚えたようだ。守備呪文は形ばかりで役に立たないものばかりだし、サイドチェンジできる人間などほとんどいないのにやたら遠い反対サイドにいたり、わざわざボールホルダーとFWとの間に足元によこせとノコノコ入ってくるポジショニングのまずさはあるが、少しでも成長しているところを見せてくれているのは応援する側としても楽しい。
試合での使われ方も、最初は4-3-1-2のトップ下、そこから4-4-2のボランチ、さらには左サイド、最後はリベロ(笑)と4ポジションの変化と、攻撃の中心として押しも押されぬ存在であることが垣間見られた。
中継での北川現地レポートによると、中村はペルージャの中田以上の支持があるらしいのだが、今のところそれを取材している人がいないので俄かにはちょっと信じがたい。悦ちゃんやサトシュンも肝心なときに役立たずだよなあ。信じがたいといっても、中田よりレベルが上とか下とか言いたいわけじゃなくて、チームに結果が出てなくてがっちり降格圏キープ中と言う事実の前では、普通は真っ先に助っ人に矛先が行くものだろうに。ほんとに南部の人は人がいいんだろうね。これでチームが強ければねえ・・・
あとちょっと気になるのが最近FKが枠に飛んでいないこと。多分、速くて曲がるボールにするために蹴り方を考えているのだろうが、それよりもボールを蹴る前に時間をかけすぎているのが問題のような気がする。ご存知のように、イタリアではFKの壁はどんどん前に出てくる。審判もいちいち止めたりはしない。今年のCLでフェイエノールトとユベントスが対戦した試合で、ファンホーイドンクがFKを蹴るときに壁役のユーベの選手が前に出てきたのを見て、審判が3度やり直しを命じて最後には決めてしまった事があったが、イタリアでは止めても1度までだ。昔、中村がNHK教育の番組で、ボールの臍を蹴るようにしていると言っていた事があったが、その神経質さが障害になっているようである。トルシエの5秒PKじゃないが、ボールを置いてすぐ蹴る練習をしてほしいものだ。